2021年4月第4週(2021年16週)終了時点のポートフォリオです。
ポートフォリオ
今週の株式相場は米国市場が横ばい、日本市場は下落の展開でした。決算ラッシュを迎えていますので、決算内容に目処がつくまでは方向性に欠けた少しモヤモヤした展開になるのは仕方がないですね。
今週はバイデン大統領がキャピタルゲイン税の増税を検討していると発表して、株価が一時下落するという場面がありました。
増税は国民にとっては嫌な政策なので批判的な意見も多いのではないかと思います。米国のキャピタルゲイン増税方針はいずれ日本へも影響を及ぼしそうなので私たち日本人投資家にとってもあまりうれしくないニュースではありますが、一方でこの増税政策を社会問題への対応と捉えると納得できる部分があります。
また発表タイミングも良く吟味されていていて、バイデン大統領が就任前から様々な政策を綿密に準備してきた様子が伺えます。
バイデン大統領就任100日
米国バイデン大統領は就任して間もなく100日ですが、その政策の実行スピードには驚かされています。これまでにバイデンさんが実行した政策を簡単にまとめると・・・
- 米国内のワクチン接種を就任100日以内に1億回実施
⇒ 3月にアッサリと目標を達成し目標を2億回に上方修正。2億回の目標も達成。 - 1.9兆ドル経済政策発表、議会成立
- 2兆ドルインフラ投資計画発表
- 対中政策で先進国との協調外交による包囲網を形成
- 気候変動問題への対応。パリ協定への復帰、温室効果ガス半減目標の発表
- 法人税増税政策発表。企業の租税回避への対策としてG20に対して「最低税率」の設定を提案
などなど。
政策の実行順序は、コロナ対策・外交などスピードを求められる政策を最優先 ⇒ 気候問題・増税などの社会問題への対応・・・となっており、まずここまでの政策の実行順序としては完璧だったと思います。
キャピタルゲイン増税の意図
キャピタルゲイン増税については所得100万ドル(約1億円)以上の個人に対して、税率を20%から39.6%へ倍増させるという政策内容です。投資家にとっては頭の痛い話ですが、少し冷静になって考えてみるとこれはやむを得ない話のように思えてきています。
このコロナ渦においても株価は絶好調。その恩恵を大きく授かっているのは株式を多く保有している富裕層であり、社会の中では一部の人間に絞られる訳です。もちろん富裕層の方は大きな努力をされて富を築いておられる訳ですから今回の増税案は「後出しジャンケン」のようにも思えて、批判的な意見も多いのではないかと思います。
一方でコロナ渦においても株価が絶好調である要因には中央銀行による支援政策があり、公的資金で株価が上昇している側面がある訳です。つまりとても噛み砕いた言い方をすれば「公的なお金を投入して儲けさせてやったんだから、大きく儲けた人は余分に税金払って下さいよ」という意図もあるのではないかと思うのです。
株価は上がっても賃金は上がらない
また別の側面として「格差」の問題があります。
株式を保有している人は政策によって支えられた株価上昇で資産が増えていきますが、株式を保有していない労働者は賃金の上昇率が低く、その格差は開くばかりです。
近年、先進国においては企業成長のための新しい労働力を新興国に求める流れが強くなっているため、「人」への投資は国内ではなく新興国で行われる傾向が加速しています。よって「人」への投資が消極的な先進国内では「あまり賃金が上昇しない」という状況になっているようです。
このような背景を考えると労働者の賃金が上昇しない理由を「頑張っていないから」という理由で片付けるのは少々乱暴で、いずれこの格差はどこかで調整していかなければならないものなのだと思います。
バイデンさんはおそらくそこに気が付いていて、今回の富裕層に対するキャピタルゲイン税の増税は格差是正の目的だと考えると、これはやむを得ない増税なのではないか・・・と思える訳です。
トランプ前大統領から「居眠りジョー」などと揶揄されたバイデンさん。私も大統領選のときは「こんなお爺ちゃんじゃダメなんじゃない?」と正直思っていましたが、実はこんな凄腕の持ち主だったんですね。
やっぱりアメリカは凄いなぁ・・・。
2021年 年間運用状況
目標値
元本目標 4,800,000円
利益目標 556,920円
損益状況(公開範囲のみ)
実現損益 0円(税引き後)
配当など 7,689円(税引き後)
評価損益 543,374円
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合計 551,063円