最近お店で買い物をしていると、「あれっ?値上がりしたかな?」と感じることが増えているように思います。
今日は物価上昇について調べてみました。
目次
物価は本当に上昇しているのか?
最近お店で買い物をしていると、いつも買っている商品が値上げされていたり、値段は変わっていないけど「あれ?この商品の中身ってこんなに量が少なかったかな?」と感じることが増えています。
後者は「値段据え置きで内容量を削減する」という、善良な市民を欺く巧妙な「サイレント値上げ」という新しい詐欺の手口だそうです。
実態を知りたいと思い、総務省統計局の情報を確認してみました。
過去20年の消費者物価指数(CPI)をグラフ化したものです。昨年2018年は「1%の上昇」となっていました。僅かではありますが、やはり統計上も物価は上昇しているのです。
しかもここ5年ほどは概ねプラス圏で推移しており、物価は上昇傾向にあるようです。2014年の上昇率が大きいのは消費税増税(5%→8%)の影響で特殊要因ですが、物価が上昇基調に変化してきているのは間違いなさそうです。
賃金(給料)は上昇している?実感できない理由
最近話題になったニュースに「セブンイレブンが人手不足で人件費が高騰し、24時間営業が難しくなっている。」という出来事がありました。
従業員の給料が高くなり、セブンイレブンのオーナーさんは大変なのだな・・・と感じられた方は多いのではないでしょうか。
一方で報道機関が「景気回復を実感しているか?」と世論調査をすると、多くの人が「実感していない」と答えています。日経新聞による先日2019年2月の世論調査でも8割の人が「景気回復は実感していない」と回答したようです。
この2つのニュースの温度差は何なのか。
私は「年金徴収のサイレント値上げ」が一つの原因だと考えます。
以下のグラフを見てみてください。
上のグラフは過去15年間の厚生年金保険料の料率変化を表したものです。
厚生年金の保険料率はこの15年間でなんと「4.72%」も上昇していました。
給与から勝手に引かれているので、気が付いていない人が多いのではないかと思います。まさにサイレント値上げ!
厚生年金保険料は労使折半(従業員と会社で半分ずつ支払)なので、私たち労働者が上昇分を全額負担している訳ではありませんが、それにしても大きな上昇です。
給料も上昇しているのかも知れませんが、それ以上に社会保険料や税金が上昇し更に最近は物価も上昇してきているので、「生活が楽にならない」という実感につながっているのではないでしょうか。
実際に民間の調査で、可処分所得(賃金から税金・社会保険料を差し引いた手取り)は上昇していないとの統計が出ており、「給料が増えても上昇分は全部お国に取られている。」というのが実態のように思います。
物価がこのまま上昇したら家計への影響は?
物価が年1%ずつ上昇した場合
毎年物価が1%(2018年の上昇率)ずつ上昇した場合、家計にはどのような影響が出るのかをシミュレーションしてみました。
「毎月20万円で生活している家計」と仮定してシミュレーションしてみました。
毎年1%ずつ物価が上昇すると30年後の家計支出は「毎月27万円」となり、「毎月7万円の増加」です。
年間の支出は240万円→323万円となり、「年間83万円の増加」です。
これだけでも大きな上昇に見えますが、それでは更に日銀が目標としている年2%の物価上昇でシミュレーションしてみます。
物価が年2%ずつ上昇した場合
毎年物価が2%ずつ上昇すると、現在月20万円でやりくりしている世帯の家計支出は30年後に「毎月36万円」となり、「毎月16万円の増加」です。
年間にすると240万円→435万円となり、「年間195万円の増加」です。
物価上昇にも複利効果があるのですね・・・。
今の私には「生活スタイルを全く変えていないのに、支出だけ毎月16万円増える状況」が想像できないのですが、政府・日銀はここをターゲットとしている訳ですよね。
しかも健康保険、厚生年金、介護保険・・・など、今後徴収されるお金はまだ上昇するのではないかと考えると、私が目標にしている資産1億円を仮に実現できたとしても、はたして老後に豊かな生活を送れるのかな?と、ちょっと心配になってしまいました。