相場テクニカル分析 10月第3週

2019年10月第3週の相場テクニカル分析です。
 

前週比

米国株式市場は決算発表が本格化。注目企業の好決算を受けて週間では若干上昇しました。また日経平均株価は前週末に報じられた「米中貿易協議の部分合意」の影響を時間差で受けて週明けから上昇スタート。その後も続伸し、珍しく米国市場のパフォーマンスを上回る上昇を見せました。

日本市場については日経平均は大きく上昇したものの、日経平均と比較するとTOPIXの上昇率がいまいち。日本企業への業績期待による上昇というよりも「日経平均先物ショートポジションの買い戻しによる上昇」というテクニカル的な要因との見方が強いようです。

S&P500

S&P500は前週比で若干の上昇。史上最高値を前に3,000ポイントゾーンで一旦ストップしています。

さて当ブログで米中貿易協議に続く第2関門と位置付けていたブレグジット。大きな動きがありました。

まず17日にEUと英国政府の間でEU離脱案の見直し交渉が合意になり、EUは同日の首脳会議で修正された離脱案を承認。

一方で英国は19日に下院議会を招集。土曜日の議会招集は37年ぶりの異例の出来事。しかし新離脱案の採決に入る前に、離脱案の採決に消極的な議員の動議によって「新離脱案の採決先送り案」が可決されたため、新離脱案は採決されず。ブレグジット問題はまたも混沌とした状況となりました。

先週までは「離脱期限延長」が市場予想の本命だったところ、突然の前進と後退。週明けの株式市場はどのように判断するのでしょうか。

本件は振り返ってみれば3年前(2016年)にキャメロン元首相がEU残留の国民投票を行ったことが発端。3年前に実施した国民投票はこれまでの結果を見れば「世界にとっての失政」でしたね。

米ドル/円

米ドル/円は200日移動平均線付近まで上昇。

需給で見るとシカゴIMM非商業(投機)ポジションは売り買い拮抗。需給からこの後上下どちらに傾くかを見極めるのは難しいところです。チャート的には109円は簡単には抜けられないゾーンに見えます。

日経平均

チャート

日経平均は窓を開けての上昇。

前述しましたが、日経平均は先物主導で上昇していると見られています。日本企業の決算発表ピークはこれからです。注目は決算を受けてどちらに動くかでしょう。

PER(株価収益率)

source:世界の株価と日経平均先物

PERは12.68倍。前週比で若干上昇しました。

今週の主な予定

  • 10月22日 日本/祝日・即位礼正殿の儀
  • 10月24日 EU/ECB理事会
         米国/新築住宅販売件数(9月)