2019年11月第2週の相場テクニカル分析です。
前週比
11月第2週の株式相場は、米中貿易交渉が部分合意になると中国側から発表があり、上昇。その他に特段のニュースはなかったように思われますが、株式市場は好調をキープ。米国市場では待機資金のMMF残高が高い水準にあり、株式の需給環境が良いようです。
また最近の特徴として日本市場が米国市場を上回るペースで上昇していることがあります。10月始値から11月第2週終値までの上昇率は、S&P500が +3.7%であるのに対して日経平均は +7.1%となっており、日本市場の高パフォーマンスが見て取れます。あまり見られない現象です。
一方で足元の企業決算を見てみると、米中貿易摩擦の影響が各社の決算に反映されており、簡単に楽観できる内容ではないように思います。現在の株式市場が「需給 > ファンダメンタルズ」で上昇しているのだと考えると、実体無き上昇と見ることもでき、慎重さも忘れてはいけないと感じています。
S&P500
S&P500は11月第2週も史上最高値を更新し、3100ポイントが目前となりました。年初からの上昇率は約24%。好調をキープしています。
米ドル/円
ドル円は200日移動平均線上で109円の攻防。シカゴIMM非商業ポジションによると現在の需給は若干のショート寄り。
以下のチャートは2年の週足です。
ザックリ104.5円~114.5円の保ち合い。中心線を109.5円とすると現在値は保ち合いのほぼ中心と見ることができます。
長期目線で見るとここ数年のドル円の値動きは比較的安定していることが分かります。もちろんそれは値幅の話で、直近でドル円が上下どちらに傾くかは分かりませんが…。
日経平均
チャート
絶好調の日経平均株価。日経平均の年初からの上昇率は約19%。前述の通りS&P500は年初から24%上昇しているため、日本株は出遅れの修正中といったところでしょうか。
日本市場の決算発表は今週(11月第3週)が最終盤です。
PER(株価収益率)
日経平均PERは前週比+0.87ポイントの13.84倍と急上昇。原因は日経平均株価の上昇と、EPSの低下です。
特にEPSの低下が目立ちます。EPSは前週の1,767.70 から-77.54ポイントの 1690.16 となり、前週比で約4.4%低下しています。EPS低下によるPER上昇はあまり好ましくないことです。今後の推移を注視したいところです。
今週の主な予定
- 11月11日 米国/祝日(退役軍人の日)
- 11月13日 米国/10月消費者物価指数
- 11月14日 日本/7-9月期GDP(速報値)
- ドイツ/7-9月期GDP(速報値)
- 11月15日 米国/10月小売売上高