2020年2月第4週終了時点の相場テクニカル分析です。
前週比
世界に広がった新型コロナウイルスの影響が懸念され、米国株式市場主要3指数は揃って前週比で10%以上下落する大きな下げとなり、株式市場は調整局面に入りました。
またドル円も1週間で3.51円の円高が進み、全面リスクオフの展開となりました。
以下は各主要指数の年初からの騰落率です。
株価は日米共に年初来でマイナスに転換しました。ドル円については急落直前に円安が進んでいたこともあり、前年比では若干の円高で落ち着いています。
S&P500
S&P500は米国株としては珍しく、窓を開けての連続陰線。リスクオフを象徴しています。
週末は陽線で引けたものの75・100・200日線のテクニカル的な節目は全く機能せず、一気に割り込みました。ここれまで大きく崩れてしまうと回復には少し時間が掛かりそうです。
米ドル/円
ドル円は先週の高値112.226円から急落し、安値は107.511円。値幅5円弱の大きな動きとなりました。
2月25日時点のシカゴIMM非商業(投機)ポジションはネットで56,389枚の売り持ち。ショートポジションは前週比で2万枚以上増加していますが、2月25日のドル円の終値は110.19円。週末までに2円以上の円高となっているため、ポジション解消も進んでいるものと考えられます。
日経平均
チャート
日経平均も大きく下落しました。金曜日の安値は20,916.40円。1月17日の高値24,115.95円からの下落幅は約3,200円。
値幅的にはまだ下げの余地がありそうですが、どうでしょうか。
PER(株価収益率)
日経平均PERは13.05倍。
日経平均の1株当たり純資産(BPS)は20,728.39円。暴落時に良く聞かれる「PBR 1倍が下値目途」との見方も出始めています。PBR 1倍の20,738.39円が下値目途となるのかは今後の注目ポイントです。
金価格の下落
さて今週は少し気になった値動がありました。金曜日に突然急落した金価格です。
教科書的には株価下落時に金価格は上昇するもの。しかし金曜日は大幅下落となっています。
一部報道では「株式をはじめとした多くの商品価格が下落していることで、投資家は追加証拠金の支払いのために本来安全資産であるはずの金まで売却している。」との話が出ています。真意は定かではありませんが・・・。
いずれにしても少し気になる動きです。
今週の主な予定
- 3月2日
米国/ISM製造業景況指数(2月) - 3月3日
EU/消費者物価指数(2月) - 3月4日
豪州/GDP (10-12月期)
米国/ADP雇用統計(2月)
米国/ISM非製造業景況指数(2月) - 3月6日
米国/雇用統計(2月)