2019年5月第3週の相場テクニカル分析です。
前週比
5月第2週は大型連休最終日(5/6)の早朝に、トランプ大統領の関税引き上げ発言が放たれ、市場が揺れる展開となりました。
S&P500指数は前週比-2.18%、日経平均株価は前週比-4.11%、米ドル/円は-1.04%となりました。なお日経平均株価の前週値は4/26の価格です。
※今週より米国株の指標はS&P500指数を参照することにしました。先週まで用いていたNYダウ平均は組入銘柄数が少なく、個別銘柄の影響を受けすぎる嫌いがあります。S&P500指数の方がより市場の方向性を的確に示していると判断し、変更しました。
S&P500
S&P500 は史上最高値から一時4%超下落しましたが、金曜日は下ヒゲ陽線で終わっています。
価格は引き続き移動平均線よりも上で推移しており、年初からの上昇トレンドは崩れていないように見えます。
先週はトランプ砲というイレギュラーが発生し、短期トレーダーの目線では下降トレンドに見えていると思いますが、中長期目線で見るとチャート上は程良い調整という感じがします。
また75日移動平均線近辺(2,815)の価格帯は過去のレジスタンスゾーンであり、3月の上ブレイク以降はサポートゾーンになっている可能性があります。
ただしまたトランプ砲のようなビッグニュースが入ってくれば、どうなるか分かりません。
米ドル/円
米ドル/円は、連休中に心配されていた「フラッシュ・クラッシュ」は発生しませんでしたが、「トランプ・クラッシュ」が発生しました。
年初からのサポートライン(チャート上の赤いライン)を下にブレイクしました。
4/30時点でシカゴIMM非商業(投機)ポジションの円ショート(円売り)ポジションが10万枚近くになっており、そろそろマグマが溜まっている感じでしたので、投機筋にとってトランプ砲は良い買戻しのタイミングになったのかも知れません。
5/7時点のシカゴIMM非商業(投機)ポジションは、円ショートポジションが9万枚程度とのことで、若干ポジション解消が進んでいるようです。
日経平均
チャート
日経平均株価は、75日移動平均線近辺で引けています。ここは踏ん張りどころです。・・・と言っても、米国次第だと思います。
金曜日の夜間売買では先物が 21,490円で引けていますので、週明けまでに悪いニュースが無ければ月曜日の日経平均はプラス圏で寄り付きそうです。
PER(株価収益率)
緑の帯は、予想PER 12倍~16倍の帯です。
過去3年の5月付近の予想PERの帯を見ると、2016年上昇、2017年上昇、2018年少し下落・・・となっています。この時期の変動が特に大きいことが見て取れると思います。
これは3月期決算企業について今期業績見通しの発表が、5月のこの時期に集中して行われているためです。日本は3月期決算の企業が多いため、この時期の変動が大きくなるのです。
企業の利益予想値により予想PERは上下します。そして今週は3月期決算企業の決算発表が終盤戦です。どのような利益予想となるのでしょうか。
今週の主な予定
- 米中貿易協議