2月20日、日本の1月貿易収支の発表がありました。
いよいよ3月に入り多くの企業が決算を迎える中、本日は貿易収支の結果から日本企業の決算への影響を考えてみます。
日本は4カ月連続の貿易赤字
財務省が発表した1月の日本の貿易収支(速報値)は、1兆4,152億円の赤字でした。4カ月連続の赤字で、赤字幅は市場予想を大きく上回っていました。
輸出は前年比マイナス8.4%で、急激な失速が見られます。
中国向け輸出が大幅に鈍化
特に足を引っ張っているのは中国向けの輸出です。中国向け輸出が減少している要因は、米中貿易戦争による影響だと考えられます。やはり日本も無関係とはいかないようです。
source: Bloomberg
- 12月の輸出額は17年1月以来の低水準、世界的に半導体関連の輸出が減少している-財務省担当者
- 貿易赤字幅は14年3月(1兆4501億円)以来の大きさ-財務省
- 国・地域別輸出額では、中国向け(17.4%減の9581億円)が17年1月以来の低水準-財務省
- 12月の機械受注は、民間設備投資の先行指標となる船舶・電力を除く民需の受注額が2カ月連続減少、特に外需は21.9%減と落ち込みが大きい
日本企業の決算への影響は?
日本企業への影響が出ていることは統計情報により、明白です。最近では日本電産が2019年3月期業績予想の大幅な下方修正を発表しました。
日本電産は1月17日、米中貿易摩擦の影響で2019年3月期の業績予想を下方修正し、6年ぶりに減益になると発表した。従来の増収増益予想から、純利益を前期比14.4%減の1120億円(従来予想1470億円)、売上高は同2.6%減の1兆4500億円(従来予想1兆6000億円)の減収減益予想へと引き下げるものだ。
source: DIAMOND online
中国企業の受注減などで昨年11月と12月の2カ月の売上高が急減したのが要因で、永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は同日の会見で「変化は尋常ではない」と危機感を露わにした。その実績をベースに「1~3月期は一番悪い数字になると想定して業績予想を作った」という。
永守会長は「この変化を甘く見てはいけない」としながらも、 ・・・
株価には織り込み済みなのか?
さて問題なのは、現在の株価水準がこの急激な市場変化を織り込んでいるのかどうなのかという点です。
昨年の12月に発生したのクリスマス大暴落は、まだ記憶に新しい出来事ですが、私はこの暴落でこの3月期決算の結果を織り込み済と言えるかどうかは微妙な気がしています。
もし日経平均EPS(一株当たり当期純利益)が、例えば日本電産並みの15%減益となった場合には、私は日経平均株価は簡単に20,000円を割り込むように思います。
あまり良くない想定ばかりをしても仕方が無いかも知れませんが、今月はこれから少しずつ3月期決算企業の着地点が見えてきて、株価へ影響を与えていくのではないかと思います。